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誰でもわかる!高機能樹脂

東京材料では、多彩な樹脂を扱っています。その特徴や仕事の醍醐味はどんなもの? そして、届けた樹脂は、どんな形になって世の中へ出ていくのでしょうか。ここでは、高機能樹脂についていろいろな角度からご紹介していきます。

そもそも、樹脂って?

樹脂材料は加熱時の反応によって熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に二分されます。東京材料の扱う樹脂は熱可塑性樹脂が多く、熱可塑性樹脂は加熱すると液状になり、冷却すると固体に戻る性質を持つ樹脂になります。高機能材料事業部の扱う材料の約7割程度が、自動車関連の部材に使用されます。残りは、スマートフォンの部品や家電材料、社会インフラでもある電線の被覆材など。樹脂は、多彩な用途に使われ、暮らしや産業になくてはならない素材なのです。

そもそも、樹脂って?イメージ画像

樹脂は、どこに使われるの?

クルマの内外装に。

私たちの高機能樹脂は、主にクルマの内外装に使われています。内装では、面積の大きいところだと、天井材やトランクのボードなどの床材。不織布などに樹脂を混ぜてボード化したものに多く使用されています。こうしたボード類は樹脂を混ぜることで、クッション性や加工性がよくなると言われています。他には、パワーウインドウのスイッチやワイパー、ステアリングスイッチ、シフター、エアコンパネルなどにも。外装では、バンパーやフロントグリルに使用されています。こうした自動車内・外装材は、5年に一度ほどのモデルチェンジのタイミングで、新たな性能や要望が求められることが。要望は実に多彩で「走行中にきしんで音がするので、それを抑制させたい」「こんな機能を加えたい」など。その度に、要望に叶う材料を世界中から探して提案を行います。

クルマの内外装に。イメージ画像
スマートフォン、医療用材料などにも。

全体の7割を占めるクルマの内装材に対して、残り3割は実に多様な用途を誇ります。まず、電線を守る被覆材としての用途。また、身近なところではスマートフォンや家電製品などにも私たちの樹脂が使われています。また、注射器や検査などの際に使われるスポイトなども私たちの材料。ちなみに、スポイトは、ゴムのような弾性を持つ樹脂である熱可塑性エラストマーという材料が使用されています。熱で変化し、樹脂でありながらゴムのような柔軟性や耐衝撃性があるもの。こうした素材たちが持つ、さまざまな個性を活かして社会に役立てていくのが、私たちの使命でもあるのです。

スマートフォン、医療用材料などにも。イメージ画像
湿布薬の相棒として。

肩こりなどの際に使う湿布薬。その特徴は、一回、貼っても剥がして、また貼ることができること。このペタペタの感触で、肌への粘着力を支えているのも、樹脂。市販の湿布薬の成分表を見ると、東京材料が販売している製品が2、3種書かれています。湿布薬の裏の、白くてペタッとした部分に、薬品や抗炎症薬を入れて樹脂も加えて湿布になっていくのです。

湿布薬の相棒として。イメージ画像
口に入れる樹脂、安全を守る樹脂。

実は意外なところでは、気分転換に口にするガムにも樹脂は使われているのです。むしろ、樹脂にさまざまな材料を混ぜ香料や味をつけたのがガム、と捉えることもできるのです。また、道路を走れば必ず目にするセンターラインの、あの白線にも樹脂は使われています。これは、トラフィックペイント呼ばれる塗料が使用されていますが、こうした塗料類にも欠かせないのです。

口に入れる樹脂、安全を守る樹脂。イメージ画像

樹脂の世界のトレンドとは?

樹脂の未来を変えていく、
電気自動車とカーボンニュートラル。

“樹脂”は古くから技術と産業の発展に寄与してきた材料ですが、そんな樹脂の世界にも大きな変化が訪れようとしています。それが電気自動車への移行。実際に10年前と今とでは、販売する製品群が変わってきました。例えば、電子制御をコントロールするボックスに使用される材料など、これまではなかったものが求められるようになったのです。他にも車両接近装置と言われる、電気自動車が近づいたとき、音を鳴らす装置に使われる材料など、新たな技術が求められることも。完全に電気自動車に移行したとき、想像もしていない材料が誕生している可能性を秘めています。また、私たちは国内商社が取り組まない外資系メーカーとの取引にも挑戦。外資系メーカーの樹脂素材は日本に「ないものがある」のが強みです。だからこそ、想定外のニーズに応え、新たな取引の糸口にもなります。特に欧米系メーカーは環境への取り組みが先進的。リサイクル素材など環境配慮型の材料が充実し、こうした素材の要望は国内メーカーよりヨーロッパ車メーカーの方が高く、私たちも常にアンテナを張り巡らせています。家庭ゴミを圧縮・樹脂化した素材も注目を集めています。

樹脂の世界のトレンドとは? イメージ画像
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どんな商談をするんですか?

エンジンの音を消したい。

自動車用の材料を扱うチームでは、例えば、こんな商談を行います。今後、進展していくEV化。最近、要望があったのは、エンジン音を消すための吸音や遮音の部材はないかということ。このように今までにない要望が出ると、いつも扱う材料だけでは対応できない。そこでお付き合いのあるメーカーに訪ねたり、海外も含めて全くゼロからメーカーを探したり。なんとしてもゼロ回答はしない、というのが商社パーソンの意地でもあります。

エンジンの音を消したい。イメージ写真

フードロスを救うため。

少し意外なところでは、冷凍食品のトレーに使う樹脂をという商談もありました。これは、食品トレーとして、耐衝撃や耐寒性を上げたいというニーズ。これは、樹脂にある材料を混ぜることで希望を叶えたのですが、相談の背景にフードロスがありました。フードロスを減らすため、保存期間の長い冷凍食品に各社、注力するようになり、その結果、カチンコチンになった冷凍食品を運ぶときに耐衝撃性や低温への耐久性が求められるように。樹脂によっても対応できる温度があるので、その中でどのようにしてお客様の期待に応えるかというのが腕の見せ所です。

フードロスを救うため。イメージ写真

世界中の取引先との
コミュニケーションを主導する、事務。

東京材料で取り扱う高機能樹脂の製品は、ざっと、1,000項目以上。事務の仕事は、ご注文いただいた材料を確実に届けること。国内はもちろん、海外の取引も多いため、さまざまな国とのやりとりを行います。関わる国は、タイ、インド、マレーシア、アメリカ、中国、欧州など。海外とのやり取りで大切なのは、相手の文化や価値観に配慮し、柔軟かつ適切に対応すること。事務の仕事は、仕入先・供給先、海外の方、倉庫会社や運送会社など、関わる人が多いため、密の連携とチームワークを大切に、ミスコミュニケーションにならないように日々、心掛けながら仕事をしています。

世界中の取引先とのコミュニケーションを主導する、事務。イメージ写真
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