Overseas Crosstalk海外事業座談会

人と人とのつながりが、
グローバルビジネスの可能性を、
切り拓いていく。

S.K
S.K

Tokyo Zairyo Czech,s.r.o. 社長
2016年中途入社
化粧品メーカーに勤務後、東京材料へ中途入社。
高機能材料事業部に所属し、
2018年には東京材料初の欧州拠点である、
Tokyo Zairyo Czech,s.r.o.の設立に参加。
2023年よりTokyo Zairyo Czech,s.r.o.の社長に就任。

Y.A
Y.A

Tokyo Zairyo (Thailand) Co.,Ltd. マネージャー
2016年入社
入社後は、基礎材料事業部 ゴム営業1部に所属。
入社4年目に、Tokyo Zairyo (Thailand) Co.,Ltd.へ。

O.N
O.N

東材(天津)国際貿易有限公司 総経理
2013年中途入社
東京材料へ入社後は、製品戦略本部に所属。
2014年から東材(広州)国際貿易有限公司へ。
2016年に製品戦略本部に戻り、
2024年より東材(天津)国際貿易有限公司の総経理に就任。

三者三様の、
世界へのつながり。

S.K:私たちはそれぞれ別の国で仕事をしていますが、二人は、どんな経緯で今の拠点に駐在していますか?

Y.A:では、一番社歴の浅い私から。新卒で入社して、最初は東京本社のゴム営業1部でゴムのことや営業の基礎を学びました。入社3年目の秋から、タイに駐在しています。「Tokyo Zairyo (Thailand) Co.,Ltd.」と、日本のゴム加工会社と東京材料が合同で設立した特殊ゴムパウンド工場に出向し、2社に営業という形で勤務しています。

O.N:私は中途入社で、製品戦略本部という部署で1年ほど外資系の仕入先の窓口を担当し、中国の広州に2年駐在しました。その後、製品戦略本部に7年所属し、半年ほど前から、中国の天津にある「東材(天津)国際貿易有限公司」で組織マネジメントをしながら、新規開拓の営業活動もしています。天津は私のほかに現地スタッフ6名の、比較的小さな拠点なので、とにかくいろんなことをやっています。

S.K:私も中途入社組。高機能材料事業部で担当していたお客様の工場が欧州ビジネスを拡大すると聞き、当時は東京材料に欧州の拠点がなかったので「進出するチャンスだ!」と上司と市場調査に行き、「Tokyo Zairyo Czech,s.r.o.」を設立しました。そんな巡り合わせもあって、今、チェコに駐在をしています。チェコは私と現地スタッフ2名の3名体制なので、組織マネジメントをしながらEU領域で営業活動もしています。

国を超えて、駐在員同士のつながりが
ビジネスをつくる。

Y.A:チェコや天津では、どんなビジネスをしていますか?

S.K:今、チェコでは樹脂を中心に販売をしています。自動車関係が多いですね。日系企業と現地企業のそれぞれと取引をしています。この座談会をしている前の月には、チェコ国内以外にもハンガリーやドイツ、フランスへ出張に行きました。

O.N:天津は9割自動車関係のお客様で、取り扱っている商品はゴム・樹脂、それに関する添加剤ですね。あと、天津では今、輸出の開拓に力を入れています。

S.K:O.Nさんと一緒に製品開発しているプロジェクトがありますよね。

O.N:そうですね。天津で見つけた材料をチェコに販売をしています。中国材料メーカーは今、技術力も品質も向上していて、それに加えてコストも安くなっています。自動車業界を中心に世界的にコストダウン傾向が強いので、中国の材料は今のニーズにマッチしています。今、10社ほど現地の材料メーカーと取引をしています。東京材料には環境技術部という品質や法規制を管理する部門があり、安心できる品質か監査をした上で、材料を仕入れています。

S.K:常に情報交換をし合っていますよね。逆に、チェコの方から中国に部品を販売する動きも始まっていて。環境ビジネスが進んでいる欧州でしか作れない部品を中国の工場に納める新しいビジネスとして、O.Nさんと一緒に始めようとしています。横のつながりからビジネスが生まれていくのは、東京材料の強みの1つだと思います。

Y.A:わかります。「Tokyo Zairyo (Thailand) Co.,Ltd.」は、ゴム・樹脂全般を取り扱っていて、日系企業や現地企業のほかにも、中国などの国の企業に営業することもあり、その時に各国の拠点にいる方にサポートしていただくことがあります。出向している特殊ゴムパウンド工場の方でも、フッ素ゴムやシリコーンゴムとして加工した商品をベトナムやインドネシアなどの他のASEAN地域の拠点と連携を取りながら営業として販売しています。

日本とは違う、
働き方に刺激を受けて。

S.K:何かアドバイスがほしい時によく、中国やASEAN、アメリカやメキシコの方々に電話をすることもあるし、駐在員同士でサポートし合うネットワークができているなと感じています。お二人が海外で仕事をしていて、「日本と違うな」と感じることはありますか?

O.N:中国はとにかく変化が早い。ハードワークで決断が早い印象ですね。ビジネスをしていて、エキサイティングですが、我々もそのスピードについていかないといけない。何しろ、長期休暇があるときでも、生産も研究開発も止めない。日本の感覚でいると遅いので、中国の企業のスピード感に遅れないように細心の注意を払っています。一方で驚いたのは、天津のナショナルスタッフが、オフィスを移転する時に、「改修費の負担が軽くなるように」と自分から不動産会社に家賃交渉をしてくれました。20年近く現地スタッフとして頑張ってくれている方で、会社のために行動してくれたのがとても嬉しかった。中国のビジネスや人とのつながりは、関係を築くまでは大変ですが、関係が深まると本当に親身。そんなところも中国の魅力だと感じます。

Y.A:いい話ですね。私は業務の変化だと、日本でゴム営業をしていた時は国内の商品を販売していたことが多かったのですが、タイでは輸入が中心。なので、船が遅れるなどのデリバリーのトラブルなどを見越して調整や交渉をするようになりました。タイに来てから、マネージャーとして12名の現地スタッフの管理するようになったので、マネジメントの勉強中です。あと、タイで驚いたことは、人と人の距離感が近いこと。一緒にゴルフや食事に行って、お互いのことを知ってから仕事につながることが多いです。一緒にお仕事させていただいた方と旅行に行くことも。日本ではあまりなかったことなので、タイで働く面白さだと思いますね。

S.K:さっき、中国はハードワークという話がありましたが、ヨーロッパは仕事もしっかりするけど、いかに効率よく時間内に終わらせてプライベートも充実させるか、という働き方が主流です。取引先の工場では2週間サマーバケーションを取るところもありますし、我々もそういった働き方に影響を受けながら、有給消化率100%を目指しています。あと、最近、木材をフィルムにする面白いメーカーを見つけました。木材と聞くと森林伐採のイメージを持つかもしれませんが、そのメーカーは森を管理していて、腐る前の木を切って製品化にしている。森林を管理することで林業の雇用も生まれます。こうしたサステナビリティの感覚はすごく進んでいて、面白い理念を持つメーカーを展示会や市場調査で見つける面白さがあります。生活の中でも、サステナブルな意識が根付いていて、地球や社会に貢献できる働き方や生き方を、チェコから日本本社や他の拠点にも発信できたらいいな、と思っています。

その国のニーズを掴み、
磨かれるビジネスの視点。

S.K:中国やタイで、今後の目標や、やってみたいことはありますか?

O.N:これまで天津では、日本から輸入した材料を販売することが多かったのですが、今は中国でも優良メーカーが増えてきているので、仕入先を増やしながら“現地化”を進めていきたいです。今、日系企業のナショナルスタッフの職位の引き上げが進む中で、中国国内のニーズや状況に合わせてビジネスをアップデートしていくことが今の目標ですね。

S.K:私も「Tokyo Zairyo Czech,s.r.o.」をもっと拡大していくことが目標です。EU領域もですが、チャンスがあれば、ヨーロッパから比較的距離が近い、アフリカにもマーケットを広げていきたいです。個人的には、多言語文化の地域に駐在しているので、日本ではできない経験やヨーロッパの人々とのつながりから刺激を受けながら、人間的にも成長していきたいですね。

Y.A:私は今、担当している、フッ素ゴムやシリコーンゴムをタイ以外のASEAN地域への販売を広げることが目標で、取り組んでいて楽しいですね。

S.K:「目標」って言うと、「海外駐在をしたい」と考えている方も多いかと思います。実際に駐在をしていて、何かアドバイスはありますか?

Y.A:英語の基礎ができることに越したことがありませんが、駐在に来てから学んでもいいと思っています。英語も大切ですが、ビジネスは人と人の会話から生まれます。日本でも海外でもいろんな方がいる中で、相手の良いところを見つけて、自分のことを好きになってもらうことを心がけています。そうやって人と関わっていくと、仕事も周りとの関係性も面白くなっていくはずだと思います。

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